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犬との交流

 犬は苦手だ。それも生易しいものではない。私は現在結構な年齢であるが、犬を苦手としてからの年月もはなはだ長いものだ。学校からの帰り道で、犬に追われ、挙句にお尻の辺りに噛み付かれた友人を間近にしたことがある。野良犬も多かったが、飼い犬でも放し飼いにしている家庭が結構多かった。遠くに犬の姿を見ると緊張する。不安と恐怖感が湧き上がってくる。先日、つい昨日のことだが、私は大河の岸辺をのろのろと歩いていた。予定の場所の予定の時間までには、まだかなりのゆとりがあった。暖かな日で、時間は午後4時少し前であった。私の前方に足の悪い男性、はっきり言って冴えない身なりの、カーキ色のズボンを穿いた男性がみえた。私は随分とゆっくり歩いていたが、それでもその男性に少しずつ近づいていた。私は瞬時に緊張した。男性の前方に犬の姿が見えたからである。大きな犬で種類はよく分からなかった。私は立ち止まって犬の様子をみた。犬は少し走ると向きを逆にして男性にじゃれるしぐさを繰り帰していた。男性は犬を繋ぐ綱を手にしていなかった。犬が放されていることを私は確信した。それで、私は男性がはるかに遠ざかるまで実にのろのろと歩いた。犬は随分と飼いならせれている様子だったのだが。それで、今日は同僚の女性が預かったという犬を見にいって、娘の眼前で激しく吠えられると言うことがあった。娘は女性と共に犬を散歩に連れ出し、私も同行したが、ずっと離れていた。幸いその後犬は私に吠えることはなかった。帰りがけにも、娘と一緒に犬の寝そべっている小屋を覗いたが、何ともなかった。娘は私に、「お父さん、あの犬はお父さんに親近感を持っていて、一緒に遊んでほしかったんだよ。だって、鳴きながら尻尾を随分とふっていたもの」と言った。私も何だかそんな気がしてほっとした。犬に対する苦手意識が薄らいで、犬との交流が持てるかも知れない。

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